Wiiのセンサーバーを自作しよう!!

2019-09-01

サムネイル

初めての電子工作、「センサーバー」の自作に挑戦しました!今や昔のゲーム機となったWii、皆さんはセンサーバーの仕組みをご存知でしょうか。意外と簡素な設計のセンサーバー、電子工作の入門にいかがでしょう?製作中の画像も交えながら楽しく解説します!

参考文献

僕が一から全部考えたよ!と聞こえてしまっては困るので、はじめに参考にしたページを紹介させていただきます。センサーバー制作にあたり以下のページを参考にしました。使用材料も回路設計もリンク先と全く同じものを使用しています。

http://donlab.oykdn.com/2018/01/31/make-wiimote-sensorbar/

リンク切れを確認(2020/01/12追記)

リンク先のサイトが閉鎖してしまったのか上記リンクは無効になっていることを確認しました。情報不足になっていたため、必要な工具・部品のところに新たに秋月電子通商さんへのリンクを貼りました。実際に自作を検討している方はそちらのリンクからぜひご購入ください。

自作する目的

  • Wiiのゲームをやりたくなった
  • 電子工作に挑戦してみたかった
  • USB電源のセンサーバーが欲しかった

Wiiの濃密ゼルダこと「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」。僕が小学生の頃に発売され、通算3週以上しているお気に入りのゲームです。あるとき突然またあのWiiリモコンをブンブン振って敵を倒す爽快感を味わいたいという欲求がわいたのが始まりでした。そこからWiiUの配線をやってセンサーバーが正常に動いていないことに気付くのと同時に、電源をWiiUからじゃなくてUSBからとれたら便利だろうと思いつき自作するという発想に至りました。USB電源のセンサーバーは市場に出回っていたものは既に生産完了品のため自作する以外では現在入手不可能です。前々から興味を持っていた電子工作に挑戦できるいい機会だと思ったのも、今回自作を後押しする一因となりました。

センサーバーの仕組み

製作に取りかかる前に、センサーバーが一体どんな仕組みで機能しているのかを把握しておかなければなりません。センサーバーはWiiリモコンのポインタを機能させるために必須な機器で、さぞ複雑だろうと思うかもしれませんが、実はかなり単純な構造をしています。絵で見たほうがはやいので簡単な構造図と仕組みをお見せします。

センサーバーの構造図と仕組み

つまり、センサーバーの正体は「両端に赤外線LEDを配置した棒」なのです。2カ所に配置された赤外線をもとに、Wiiリモコンがどの位置をポイントしているのかを計算する仕組みになっています。ちなみにWiiリモコンはPCに普通にBluetoothで接続できるので、取得したポインタ位置の送信にはBluetoothを使っているのだと思います。

必要な工具・部品

センサーバーの製作にあたり、結構いろんな道具が必要になります。今まで電子工作はもちろんのこと、DIYすらまともにやってこなかった身なので、今回新しく買いました。結局センサーバーを普通に買ったほうがめちゃめちゃ安かったというのはここだけの話。

必要な工具一覧

  • 半田ごて(半田付け)
  • 半田ごて台(安全のため)
  • はんだ(初めてなので融点低い鉛はんだ)
  • ニッパー(バー、および後述のユニバーサル基板の加工)
  • カッター(ケーブルの被覆剥ぎ)
  • はさみ(ケーブルの切断)

必要な部品一覧

工具はホームセンターで購入、部品は主に秋月電子通商から仕入れました(配線モールだけは別)。

製作工程

では、さっそく製作に入ります!製作時に撮影した写真を参照しつつ補足説明していくことにします。

回路設計

回路設計そのものは参考文献のリンク先のものをそのまま採用しました。100Ωの抵抗を2つ並列接続、3つの赤外線LEDを直列接続したものを2つ作り、最後にUSBの5V電源端子(+)とGND端子(-)に接続して完成という流れです。

回路設計

電子部品諸々到着!

秋月電子で注文していた部品が届いた時の写真です。失敗したときのためにUSBケーブルとユニバーサル基板を余分に1つ買いましたが、結局使いませんでした。失敗するほどの難易度ではないと思うので1個でいいと思います笑。余った部品の使い道を現在模索中です・・。

電子工作の材料到着!

基板を切断して穴に部品を突き刺す

半田付けの前のシミュレーションみたいなもんで、完成時の想定・半田付けする場所の確認などの目的でやってます。穴への差し込み方が下手くそすぎて抵抗の針金がぐにゃああ。

ユニバーサル基板の切断&抵抗をはめる

USBケーブルの端子切断・被覆剥ぎ

USBケーブルの準備をします。電源をUSBからとる都合上、USBケーブルの一方の端子(microBの方)を切断します。思い切ってはさみでぶった切ってしまいましょう。

USB端子を切断

次に黒い被覆を剥ぐと中に赤、黒、緑、白の4本の細いケーブルと銅線が出てきます。今回使うのは赤と黒の線のみです。後でさらにこの細いケーブルを剥ぎます(剥ぐと銅線が出てきます)。

被膜を剥ぐ

順番が前後しちゃいますが細いケーブルを剥いた様子をお見せします。画像のように銅線が出てきます。最後に回路全体を繋げるためにこれを半田付けすることになります。カッター等で被服を剥ぐときに中の銅線まで切断してしまわないように注意しましょう。

さらに剥ぐ

いざ、半田付け!

はんだを片手に半田ごてを握る、半田付け真っ最中の様子は撮影する余裕がありませんでした。画像は半田付け後の様子になります。下手くそすぎてぼちっとでかい半田の塊ができてしまっています。中学生の記憶を頼りにやっているので仕方ない。隣の接合部にまで半田が伸びたりしなければぶっちゃけ問題ないです。また、発光ダイオードは電流の流れる向きが予め決まっていますので、半田付けの際は注意しましょう。間違えると電流が流れないなんて悲惨な状態になります!

半田付け

色々ありましたが何とか完成。2つ目も同様にやります。ちなみにこの画像では電流は右の白いケーブルから黒いケーブルに向かって流れていきます。※冒頭に載せた回路図のケーブルの色とは異なります。

片方完成

通電チェック

ちゃんと半田付けできてるか不安な場合は通電チェックをしましょう。USBの端子をつないでiPhoneのインカメラで移して確認しました(赤外線はアウトカメラでは映らないし、肉眼では確認できない)。テスターをもっていなかったのでUSBの線を無理やりビニールテープでくっつけて確認しました。

家の中思い切り写ってたので背景削除してます笑。若干不自然ですが許してください。

通電チェック

ボディを作る

樹脂切断用ニッパーを買いに行くのがしんどくて、はさみやカッターなどの工具を駆使して配線モールの切断を試みましたが、上手くいかず最初に買った白の配線モールはゴミになってしまいました笑。ちゃんとニッパーを使えば画像のように綺麗(?)に仕上がります※筆者基準。プラスチックが飛び散るので目に入らないように注意です。

ボディ

完成

いよいよ完成間近!完成した基板をかぽっと配線カバーで包みます。

カバーで基板を包む

4本のケーブルを丁度真ん中の穴から出てくるように配線し、

配線

あとは電流の流れる向きを考慮してUSBの赤(+)と黒(-)をうまくつないでやれば完成です(ちゃんと半田付けしましょう。この時はビニールテープ固定だったので後でもげました)。

完成

動作確認

あら不思議、ちゃんとリモコンのポインタが機能していますね。これにて終了です!

作ってみた所感

電子工作は中学以来やったことなかったので今回のが(ほぼ)初めてでした。難易度的にはさほど難しくはなく(というのも先達がいたからですが)、入門としてはちょうどよかったのではないかと思います。

自分で一から部品を集めて加工して、回路を半田付けして、と一連の作業を終えてちゃんとモノになった瞬間は感動を覚えます。何か作りたいもの(目標)を決めて、子供ような純粋な精神で、完成に向かって真っすぐ進んでいく。これが電子工作の楽しさであり、モノづくりの秘めるやりがいそのものだと思いました。

長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。皆さんに何か普段味わうことのない刺激を与えることができたのであれば、非常にうれしく思います。次回の電子工作は(いつになるか不明ですが)今のところイヤホンのケーブル自作を考えています。ではでは。