オヤイデ精密導体を使ってA2DCバランスケーブルを自作してみた

2020-01-27

サムネイル

今年初めに購入したATH-E70用に、A2DC端子を用いたバランスケーブルを自作しました。線材にはオヤイデ電気の精密導体102SSCを採用し、8芯で製作しました。SU-AX01での使用を前提としているため、今回もステレオミニ2個となります。

材料一覧

今回は線材だけでなく、プラグやはんだにもこだわって良いものを使うことにしました。ついに音響用はんだに手を染めてしまいました(比較はしてないけど音響用ってだけで安心感がある)。

作り方

過去記事のSU-AX01専用バランスmmcxケーブルのmmcxコネクタ部をA2DCコネクタに置き換えただけですので、基本的な作り方はそちらをご覧ください(下記リンク)。

SU-AX01用mmcxバランスケーブルを自作する

ただ、今回はA2DCという特殊なコネクタを使うので、A2DCコネクタの極性について軽く述べておきます。※ネットで検索してもこれについて詳しく言及している記事がなかったので。

A2DCコネクタとは

A2DC(Audio Designed Detachable Coaxial)コネクタとは、audio-technica社が開発したMMCXベースのコネクタで、MMCXにおいて課題であった接続安定性などを改善した比較的新しいコネクタです。MMCXコネクタは元々オーディオ用コネクタではなく、それをオーディオ専用に再デザインしたものらしいです。今のところあまり普及率の高いコネクタではないと思いますが、今後少しづつ主流になっていくのではないでしょうか。

A2DCコネクタの極性

A2DCコネクタはベースとなっているのがMMCXコネクタなだけあって基本的な構造は似ており、下図のような極性となります。※ただしMMCXとの互換性はない。

A2DC極性

完成後のまとめ

仕上がり

丸一日使ってケーブルの編み込み、半田付けをやってなんとか完成。作業時間は7時間くらい。前回の反省を生かし、編み込みはきつめにやったので仕上がりはとても美しいです!精密導体の濁りのない銅色もなかなか良い感じ。

編み込み

耳掛けするために収縮チューブも通したので装着感も抜群です!収縮には「はんだごて」でやってみたり、「チャッカマン」でやってみたり色々試行錯誤しながらやったので少し仕上がりは汚くなってしまったのが反省点。プラグやコネクタ付近ははんだごてで縮めて他はチャッカマンの熱で収縮させる感じが良さげでした。しかしながら、チャッカマンやライター、はんだごてを使ってやるのは裏技みたいなもので仕上がりがあまり美しくないため、素直に「ヒートガン」を買ってやるべきだと思います。筆者も次回からヒートガンを使ってやろうと思っています。

耳掛けチューブ

取り回し

かなりきつく編み込んだのでケーブルが硬くなってしまわないか不安でしたが、意外と取り回しは良いです。むしろケーブルのよれが少なくなって今まで作った自作ケーブルの中で一番取り回しがいいです。

編み込みが不十分だとケーブル間に隙間ができたり、使っていくうちに編み込みの密度が場所によってずれてきたりするので、できるだけきつく編み込む方がいいのかもしれませんね。編み込みが面倒なら適当にねじって色付きチューブかぶせて誤魔化すことも可能ですが、僕は嫌でも丁寧に編み込むことをお勧めしたい。今まで作ってきたケーブルをすべて分解して編みなおそうか考えるくらいにはよかったと思っています!

音質

これが驚き!いくら精密に製造された銅であれ、銅は銅なのでそんなに音は変わらないだろうと思っていましたが、結構変わりました。音のバランスはそのままに、解像感が向上し、音に力強さが上乗せされる感じになりました。音に力強さが上乗せされるとは言っても、音圧が強くなって聴き疲れするような音になったわけではなく、単純に聴いていて楽しい音、音楽にのりやすい音になったという感じ。

金・パラジウムメッキプラグの影響も多少はあるとは思いますが、精密導体は音の傾向を維持したまま良い音にアップグレードしたい人に最適な線材だと感じました。比較したわけではありませんが、金・パラジウムメッキのプラグと精密導体の組み合わせはなかなか良いと思います。お勧めです。

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