HA-SW01(WOOD 01) バランスケーブルの自作

2019-11-10

サムネイル

SU-AX01とHA-SW01をバランス接続するための純銀ケーブルを制作しました!前回はmmcxイヤホン用の純銀ケーブルを製作しましたが、今回はヘッドホン用かつバランス接続用となります。作業工程を写真付きで丁寧に解説します。

材料

今回使用した線材、プラグ、その他自作パーツは以下の通りです。※クリックでオヤイデ電気またはAmazonの商品ページへ遷移します。

※オヤイデ製以外にNobunaga製のプラグを用意している理由は、形状がHA-SW01の差し込み口にぴったりだったからです。
材料費は合計で15226円でした。8芯構成で1.5mで作る都合上、前回のmmcx自作のときの2倍以上の長さの純銀線が必要になっておりそこそこお高めになっています。

線材のカット

今回は8芯構成にするので、1.5mの純銀線を8本つくります。
※1.5m × 8 = 12m
メジャーなどを使って大体1.5mずつに切り分けていきます。完成時には編み込みなどの影響で1.5mよりも短くなりますが、自作なので多少不正確な長さでも問題ないでしょう(誰かに売るわけじゃあるまいし)。線材は実際欲しい長さよりも少し長めに切るといいです。短くすることは後からでもできますが、長くするのは基本的に無理なので。

切断したケーブル

↑完全に切断するとこうなります。銀の髪の毛。

編み込み(八つ組み、四つ編み)

アンプ側端子の部分を10cmくらい残して固定したのち、途中から八つ組みを始めます。八つ組みをして残り35cmくらいになったら、二つに分岐してそれぞれ四つ編みをしていきます。八つ組みのやり方については「【革ヒモの組み方⑤】杉綾8本組み(八つ編み)※外部リンク」を参考にさせていただきました。四つ編みの2倍の本数のため、難易度も上がりますが、不思議なことに数回繰り返していくうちに作業工程が身体に染み付いて慣れますので、根気強く作業しましょう。

八つ編み

ヘッドホン側の編み込みが終わったら、編み込まずに放置していたアンプ側も、同様に分岐させて四つ編みにしていきます。このとき、念のため被覆を剥きテスターで通電チェックしながら左右に4本ずつ振り分けます。ここで間違えると全てが台無しになるのでご注意を。また、四つ編みのやり方については過去記事をご覧ください。図を載せてあります。

四つ編み

ケーブルスプリッターを通す

今回はアルミ製ケーブルスプリッターを2つ購入しました。アンプ側・ヘッドホン側それぞれに1つずつ使います。半田付けをする前に忘れずに通しておきます。

スプリッター

プラグカバーとブーツも通す

いつも通りプラグカバーおよびブーツも忘れずに通しておきます。ちなみに今回カラーブーツはアンプ側にしか用意していません。ヘッドホン側のプラグ部はホットボンドで固めて補強するだけにします。※画像は一部半田付け後のやつです。

カバー・ブーツ

半田付け

使うのは3.5mmプラグのL, R部分のみです。SU-AX01においてヘッドホンのバランス接続にはグランド分離(GNDを使わない)が使われているので、L, R部分のみ半田付けします。 こちらのページ(JVC SU-AX01 商品ページ)の下の方に両出しバランスケーブルの仕様について書いてあります。これを参考に半田付けをしていきます。 L部分がプラス、R部分がマイナスの扱いとなり、左側はそれぞれL+, L-、右側はそれぞれR+, R-となります。 と言われると難しく聞こえるかもしれませんが、単純に2つの3.5mmプラグをGND抜きで繋ぎ合わせたものを2個用意するだけでOKです!

プラグ

ホットボンドで絶縁・補強

まず、分岐パーツ部分の隙間にホットボンドを流し込み固定します。次に4つの3.5mmステレオミニプラグをホットボンドで固めます。このときホットボンドが分厚くなりすぎないように注意してください。付けすぎると後でカバーのネジが回らなくなります。

絶縁処理

完成!

始める前は不安でしたが、なんとか完成!今回収縮チューブを使わなかったのは銀線のしなやかさを台無しにしたくなかったからです。このしなり具合かなり気持ちよい・・・(伝われ)。

完成

感想・まとめ

ざっと作業日数2日間、作業時間で言えば7時間くらいでしょうか。特に難しかったのは「八つ組み」で、ケーブル編み込みに結構時間がかかりました(初めてだと最初取っ付きにくい)。また、銀線の被覆剥きにもかなりの時間を要しました笑笑。皆さんは素直にケーブル用のストリッパーを買った方が良いと思います。ニッパーでやると誤って切断しかねませんし、慎重にになりすぎてなかなか被覆が剥けません。 半田付けも最初は少し手こずって危うくプラグの絶縁体溶かしそうになりましたが、なんせ今回は4つも同じ部分があるのですぐに慣れました。小手先に予め多少半田を付けておくとやりやすいです。これだけでだいぶ違います。

肝心の音についてですが、大満足です!見事HA-SW01の音がさらに明瞭で明るいサウンドに豹変しました。また純正OFCバランスケーブルよりもSN比が向上したように感じられました。 やはり銀線の音は一度聴いたらもう抜け出せないですね。銅線にはない音の解像感や繊細さがあります。実際に聴いてもらえば理解していただけると思います!

今回製作したHA-SW01用バランスケーブルには、合計で15226円の費用がかかりましたが、この価格でこれほどのクオリティを実現できるのは自作ケーブルの魅力なのではないでしょうか!純正ケーブルの執筆時点の価格はAmazonで9182円ですが、これのおよそ1.6倍の価格を出せば純銀バランスケーブルを作れるということになりますね。市場に出回るケーブルはほぼ純銅か銀メッキをした純銅が使われています。また純銀線ケーブルはメーカーから買うとなるとすこぶる値が跳ね上がってしまいます。オヤイデ電気さんで売られている純銀線は、価格も高すぎず音質向上も明確に見られるので自作ケーブルを考えているのであれば真っ先に試していただきたい絶品です。

長くなりましたが、ここまで見ていただきありがとうございました。今回はHA-SW01をSU-AX01でバランス接続する用に純銀ケーブルを作りました。グランド分離で3極 3.5㎜プラグ2端子のバランスケーブルを作ろうとしている方の参考になれば幸いです。ではよい一日を。

追記(2019/11/13)

余っていた銀線を使ってラインケーブル(3.5mm to 3.5mm)を作りました!DP-X1からSU-AX01へラインアウト出力をするためのものです。やはりアナログ出力にすると不思議なことに音がやんわりと、広がりを持ち始めますね。編み込みの処理などが甘いですが、音は凄く満足できる質感になりました。銀線が余った人はぜひお試しあれ。※プラグにはmmcxケーブル自作時のと同じ銀・ロジウムメッキのL字版を使用しました。

ラインアウト出力

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